こんにちは、Hazuki(@August742Leaf)です。
今回はロサンゼルスのチャイナタウン事情について紹介します。
ご存知の通り、ロサンゼルスは多様性に溢れた都市で、
- リトルトーキョー(日本)
- コリアタウン
- エル・プエブロ(メキシコ)
- リトルサイゴン(ベトナム)
- リトルアルメニア
などなど様々なエスニックタウンが存在します。
私の5年間のアメリカ留学生活で、最も頻繁に通ったエリアが中国人や華僑の住んでいたエリアです。
そんな中華系のエスニックタウンといえばチャイナタウンですが、実はロサンゼルスには2種類あるってご存知でしょうか?
今回はその2種類のチャイナタウンについて紹介していきます。
Contents
ロサンゼルスに中華街は2種類ある!?
ロサンゼルスには2種類のチャイナタウン。
それが下記で解説する「チャイナタウン」と「華人区」です。
チャイナタウンは言わずもがな英語ですが、華人区(中国語で华人区:Hua ren qu)はあくまで現地に住んでいる中国人がこのような分け方をしており、英語でなんと呼ばれているか私も不明瞭なため訳さずにそのまま呼ぶことにします。
わかりやすく解説するならば「チャイナタウン」は既に100年以上の歴史があり、半ば観光地と化しています。
一方で「華人区」には近年移り住んだ第一世代の移民が多い傾向にあります。
これを日本人エリアに置き換えますと、
ダウンタウンにリトルトーキョーという100年以上続き、既にそこに住み着いた日本人の子孫が3世、4世となって日本語を話す人が少なくなり、現地化、観光地化したのに対して、
トヨタのアメリカ本社があった(現在はテキサスに移転)トーランスでは本格な日本食や駐在の日本人による日本語を母語とる人が多いコミュニティがある場所のような違いです。
ちなみに同じような2種類のチャイナタウンが生まれる現象はニューヨークやトロント、バンクーバーでも起こっています。
これ以降は「チャイナタウン」と「華人区」について大まかに紹介していきます。
いわゆるロサンゼルスのダウンタウン
ロサンゼルスの”いわゆる”チャイナタウンとはダウンタウンにあるものを指します。
Google Map上の表記も「Chinatown」です。
そもそもアメリカでのチャイナタウンの始まりは1848年にカリフォルニアで起こった「ゴールドラッシュ」だと言われています。
当時、ロサンゼルスから遥か北、サンフランシスコ周辺には多くの移民が押し寄せ、現在も残存するチャイナタウンを作りました。
華僑たちはサンフランシスコにコミュニティを作りそこで生活をしていましたが、やがてより良い生活や仕事を求めてロサンゼルスに仕事を求めて南下したのが始まりとされています。
あらゆる艱難辛苦を乗り越えた移民が作りあげた歴史的地区、チャイナタウン。
ちなみにロサンゼルスの陸の玄関であるユニオンステーションも華僑の労働資本が多く導入されてできたそうです。
ユニオンステーションの近くにチャイナタウンがあるのはその名残なんだそうな…。
現時点ではロサンゼルスやサンフランシスコのチャイナタウン創設当初の世代はほとんど現地化して、その子孫はチャイナタウンを離れ、現地で完全にアメリカ人として生きています。
そのため、こちらのチャイナタウンに現在住んでいるのは相当な高齢の方や、ベトナム、カンボジアからきた移民がほとんどという状態です。-
ちなみにわずかに残っているローカルなスーパーなどの漢字の読み仮名には広東語が使われているものが多いです。
現代風の「華人区」とは
「華人区」はそんなダウンタウンのチャイナタウンから東にしばらく行ったところに始まるエリアで、歴史的な観光スポットであるチャイナタウンに比べて、中国から来た中国人にとって非常に実用的なエリアです。
ロサンゼルスの華人区は
- サンガブリエル
- モントリーパーク
- アルカディア
- テンプルシティー
- ローランドハイツ
など1地区に留まらず比較的広範囲です。
(モントリーパークはその市ができてから100年以上経過していますが、今現在も中華系資本が入ってきて投資用マンションや本場さながらの中華料理店がどんどん開いているのでカウントしています。)
これらのエリアでは現地かされたチャイナタウンよりも遥かに”中国らしい”生活をすることができます。
例えばアメリカのチェーンシアターであるAMCで中国語字幕の映画や中国の最新の映画を見ることができます。
チャイナタウンにも中華系マーケットはありますが、華人区の品揃えはそれを遥かに上回っています。
また華人区には
- 東北系
- 広東系
- 台湾系
- 朝鮮族やウイグル族などの少数民族など
よくよく見ると色んな種類の中国人がいます。
そのためか、チャイナタウンでよく聞こえる中国語は広東語ですが、華人区ではマンダリンと呼ばれる標準語が聞こえる事が多いです。
サンガブリエルにはご覧のような中国本土にある火鍋のチェーン店があります。
私はここに中国人の友人と一緒にやってきましたが、ご覧のように白人、黒人、ヒスパニックといった人種は皆無で、ほとんどが中華系。
聞こえてくるのも中国語や広東語ばかりで、英語もほとんど聞こえません。
メニューも中国語で、英語のメニューが無い店もあります。
この火鍋のクオリティは値段こそかなり違いがあれど、もはや中国そのものです。
中国人の生命力は半端じゃない-三把刀の教え-
以上、ロサンゼルスにある2種類のチャイナタウンの紹介でした。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、チャイナタウンは世界中にあります。
近くは横浜のような場所から、果ては中南米やアフリカにも中国人がコミュニティを作っています。
Source: Wikipedia-Sinophone Studies (English)
華僑達は行く先々でひどい目にあっても生き残って行く生命力や時にプライドをかなぐり捨ててでもという執念やハングリーさを感じずにはいられません。
同時に自分が困難に遭遇した時にはこの様にメンタルの強さを持ち続けていたいものです。
華僑の有名な教えの一つに「三把刀(三つの刃物)の教え」があります。
三つの刃物を扱う仕事とは、
- 理髪師(人の髪や髭を切ったり、剃ったりする)
- 料理人(包丁を使って料理を作り、食事を提供する)
- 仕立屋(服を作る仕事)
このいずれかが出来れば需要があるため、世界中どこにいても食いっぱぐれる事はないという教えです。
華僑たちはチャイナタウンのようなコミュニティを作り、以上の様な手に付く仕事で現地でビジネスを行い、それを子孫や弟子たちに覚えさせ独立を促すというサイクルで、生き残ってきました。
アジア人で数が多く、偏見と差別を受けながらも独自のルートで生き残り続ける生命力は尊敬に値するものがあります。