こんにちは、葉月です。
今回は私がアメリカ留学を開始して半年たった2014年の9月にひょんなことからロサンゼルスの郊外サンタモニカで野宿をすることになってしまった体験をこちらの記事でシェアしたいと思います。
ロサンゼルスといえばハリウッドなどの華やかな一面もある一方で、貧困による薬物濫用や治安の悪化した地域もあるなど安全とは言い切れない一面もあります。
ロサンゼルスの治安については別記事で紹介しておりますので、よろしければご参照ください。
私は高校を卒業後、現地で大学を卒業するまで5年間アメリカに住んでいましたが、そんな目にあったのは後にも先にもこれ一回だけですし、今後やるつもりもありません。
そんな中での経験ですので、私が文字通り自分の体で実感したものはたくさんありますが、非常に危険ですので絶対に真似しないでください。
あくまでそんな事がありましたよ。ぐらいのノリで見ていただければ幸いです。
Contents
なぜ野宿をすることになったのか!?
ではまず、なぜそんな危険もあるロサンゼルスでそんなことをしなければいけなかったのか。
その経緯を簡単に説明します。
語学学校を卒業して放浪の旅へ
当時、アメリカ大学留学を目指していた私は4月から通っていた語学学校で大学入学に必要な英語力を身につけ、8月いっぱいで卒業し、9月からの入学に間に合わせる予定でした。
が、ひょんな事情で別の学校(私が実際に通っていたサンタモニカカレッジ)に行きたいと思い、急いで入学手続きを済ませたものの、結局入学は1月からに変更。
その間およそ3ヶ月、アメリカですることがなくなってしまい、かといって学校に通い続けているのも時間的にもお金的にももったいなかったため、最初の1ヶ月はアメリカに残り旅に出て、日本で2ヶ月間アルバイトをしてお金を稼ごうという結論に至りました。
語学学校に通っていた頃は学校の寮に通っていましたが、卒業してしまったため住めなくなったおかげで友人の家を転々としたり、安いホステルに泊まって過ごしていました。
そんなある日、たまたま滞在していたホステルで一人の日本人観光客の方と知り合いました。
出会って数時間でしたが、同郷だったということもありすっかり意気投合してしまい、一緒に旅に出ることにしました。
ロサンゼルスから高速バスや格安ツアーを乗りつなぎ、ラスベガスとグランドキャニオンを回り、数日の旅を楽しみました。
(詳しい旅の話は別途書くことにします。)
旅を終えてロスに帰還 突如寝床が無くなる!?
旅を終えて、高速バスでロサンゼルスに帰ってきました。
その日の晩は一緒に旅行に行った観光客の方と私の友人の部屋にお世話になることになっていました。
本来ならば時間に余裕もあったはずなのですが、バスが遅れてロサンゼルスのダウンタウンに着いたのはもう日も落ちてかなり夜になっていた頃でした。
バスがついた後、ロサンゼルスのダウンタウンから約束の場所であるサンタモニカまでおよそ1時間乗り継ぎ、治安も決して良いとは言えない市の中心から観光客が集まる安全なエリアへ脱出成功。
あとは先に連絡していた友人が私達を迎えてくれれば何事もなかったのかなと思います。
ところが、あろう事か私の友人は連れ添った観光客の方のみを家の中に入れ、私を中に入れるのを忘れてしまったみたいなのです。
同じタイミングでいたはずなのになぜか私だけがタイミングを逃してしまいました。
慌てて電話を何度もかけても彼は寝てしまって電話に出る事はありませんでした。
深夜のサンタモニカの屋外。私は帰る家もなく、突然寝る場所もなくなってしまいました。
当時の私はUberなんて便利なものも知らなかったもので、近くのバスで行けるホステルを探そうと思いましたがすでに夜12時を回っていることもあり、電話をかけても満席で予約できないと言われてしまう有様。
このまま家の前にたむろっていても怪しまれるだけなので、しばらくひたすら歩きます。
日本とは違って24時間空いているお店なんかありませんし、インターネットカフェみたいなのもありません。
いよいよどこで夜を過ごそうか?という話ではなく、”どうやって”夜を過ごそうか?というレベルの話になってきました。
歩けど歩けど、解決策は思い浮かびません。
結局サンタモニカのサードストリートプロムナードの近くで夜を明かすという決断を下しました。
選択肢があまり無かったとは言え、この決断が想像を遥かに超えた過酷な夜を送ることになると私はこの時まだ、知る由もありませんでした。
これほど夜が明けて欲しいと切実に思ったことは無い
9月のカリフォルニアだし、一年中20度は超えている天候だから大丈夫だったんだろうと思ったそこのあなた!
カリフォルニアの夜は昼と違ってものすごく寒いです。
気候が砂漠から近いからか、非常に乾燥しています。
ですので、昼間は日差しが強くても日陰に行けば日本のようにムシムシとした暑さは残らないのですが、日が当たらない場所、あるいは夜は非常に寒くなります。
日本のように湿気がないので、昼間の暖かさが夜には残れないのです。
夏の暖かさが残る9月でも、夜には12月の東京のビル風のような寒さを感じることもしばしばです。
持っていたバックパックの中にあった着替えを全部着てベンチの上で寝ることにしましたが、これがまたハードでした。なぜなら…..
- 枕はないのでバックパックで代用
- 海辺に近いので風は強い
- 金属なので冷たさがダイレクトに届く
- 寝転がっても硬い
- 寝返りが打てない
などなどやってみないとわからないものが予想以上にたくさんありました。
昼間はまだ夏の暖かさが残っている9月初旬でしたが、夜は11月の東京の秋空の様な寒さです。
そのため、ロサンゼルスで生活している間は外出時の上着は欠かせませんでした。
そんな中でも真夜中は暖かくなる要素がありませんので、ひたすら天気に合わせて寒くなる一方です。
なぜ路上で生活している方が段ボールを使って保温をするかが自分の体を持って理解できた瞬間でした。
サンタモニカビーチから徒歩5分のVANSの目の前ということもあり、治安面での安全は確保しましたが、ひたすら寒さとの戦いでした。
また、いかに私がいるエリアがロサンゼルスでも安全な地帯とは言え、誰かに襲われたり、盗まれたりする恐怖は残ったままでした。
ですので、やっと眠りに着いたとしても、寒さか恐怖によってすぐに目が覚めてしまうという悪循環でした。
これほどまでに「早く朝が来て欲しい!」と願った日はこれ以降ありませんでした。
朝を迎えた時の安心感
寒さと風にやられっぱなしでほとんど寝たか寝てないような数時間を過ごしていると段々と明るくなってきて日が明けて来るのがわかりました。
寒さに耐えかねてコーヒーショップに避難
朝5時を回った頃、これ以上横になっても眠れないなと判断した私はカリフォルニア州発祥のコーヒーチェーン店、コーヒービーンに開店と共に逃げるように入店し、暖かいココアを注文して暖を取りました。
この時ほど風を凌げる建物の中で寝れるという事は幸せなんだなと実感する瞬間はなかったと思います。
寒さと疲れにやられてしまったのか、おもむろに机にうつ伏せになると、そのまま意識が遠のいてしまい、眠ってしまいました。
そして、気がついた頃には朝の7時を過ぎていました。
今から思えば店から追い出されてもおかしく無い状況でしたが、当時19歳で何も知らず無謀な状態の私をそのままの状態にしてくれてただけでも非常にありがたかったです。
たった数時間ではありましたが、仮眠をとることができて頭にあった重たいものが少し取れたような気分になりました。
残りのココアを飲み干して、店を後にした私が向かったのは歩いて数分のサンタモニカビーチへ向かいました。
人気のない観光地のビーチでシャワーを浴びる
昼間から夕方にかけては目の先に太平洋が広がっている美しいビーチだったということもあり、人がたくさんごった返していることが多いです。
ですが、朝(午前8時ごろ)のサンタモニカビーチは人が少なく、せいぜいランニングをしている人や散歩にきた人など広大なビーチにわずか数人しかいない、その眺めは観光客でいっぱいの昼間とはまた一味違う雰囲気でした。
最初は景色見たさ、気分転換に来ただけだったのかも知れませんが、「そういえば」と遊泳用のシャワーがあることを思い出しました。
試しに水を流して水温を肌で測ってみると、まぁまぁ寒くない。
色々考えた結果、私はこのほとんど人のいないビーチでこっそりシャワーを浴びました。
旅行帰りでしたので、使い捨てのシャンプーやボディソープなどは持っていたので寝る家がないにもかかわらず、体は清潔に保つことができました。
これも不幸中の幸いでしょうか?
その後、昨日止まる約束をしていた友人から連絡が入り、無事に避難に成功。
その後はほとんど余裕もなく、そのままバタンキューと眠りにつきました。
かろうじて生き残ることには成功しました。
当たり前の幸せ
かくしてちょっとした事から寝る場所がなくなってしまい、異国の都市の真ん中でこの経験から学んだことは、
普段当たり前だと思っていることは、実はとても有難いことでなのかもしれない。
ということです。
普段、雨風を凌げる頑丈の家の中で柔らかいベッドに横になり、暖かい布団を掛けて、大の字にして寝ることができるというのは、実はとても幸せなことなんだなぁと思いました。
ロサンゼルスはとても裕福で底知れないくらいお金持ちの方とも出会いましたが、街を見れば、今日の食べ物にすら困り、寝床も確保できないぐらい貧乏な人もたくさんいます。
たった1日だけではありましたが、そんな方と似たような夜の過ごし方をして、普段当たり前だと思っていることが出来ない人も居るんだなという現実を文字通り肌で経験をすることができました。
もう二度とやることは無いとは思いますが、また一つ経験をして視野を広げることは出来たかなと思っています。
おわりに 知らない土地で野宿は絶対やめよう!
以上、ちょっとした行き違いで経験することになった異国での野宿の体験談でした。
現在のロサンゼルス郡ではUberやLyftなどの交通手段も増えて夜でも比較的家に帰れるようになりました。
話のネタにはなりますが、かなり過酷な経験でした。
何度も言いますが、絶対に真似しないでください!
今回はそんなしょうもない失敗談になりましたが、普段はアメリカ留学情報や中国のライフハック的なことを記事にしています。
最近は日本にいる時間が多いので、新しいネタも追求している状態です。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
では、今回はここまで。